【補足】6 つの係数の導出②:年金終価係数と減債基金係数

この記事は約5分で読めます。

この記事は「【補足】資金計画に関する 6 つの係数の導出」の連載です。直リンクでここに来た方向けに、以下の記事に概要が記されています:)

 一つ前の記事で終価係数 \( k_1 \) と原価係数 \( k_2 \) の一般式を導出したのと同様に、次は年金終価係数と減債基金係数の一般式を導出します。さらに、ななみんの本に載っている表の数値が正しいことも確認します。

スポンサーリンク

年金終価係数

 年金終価係数 \( k_3 \) とは,毎年 \( a \) 円を積み立てることを \( n \) 年間続けた場合、\( n \) 年後に得られる金額 \( u_n \) を求める際に用いられる係数のことであり、\( a k_3 = u_n \) によって定義される量です。つまり

\[ k_3 = \frac{u_n}{a} \]

です。日本語で書けば

\[ \text{年金終価係数} = \frac{\text{n 年後に得られる金額}}{\text{毎年積み立てる金額}} \]

です。積立開始後の残高の変遷は下の図のようになります:

図:年金終価係数の説明。\( n \) 年間の積み立て運用を行なった場合の残高の変遷。

 まずは \( u_n \) を求めるために、\( u_n \) に関する漸化式を立てることを考えます。\( k \) 年後 の残高 \( u_k \) と \( k+1 \) 年後の残高 \( u_{k + 1} \) の関係は、下の図を見れば

\[ u_{k+1} = u_k + r u_k + a = (1+r) u_k + a \]

となることが分かります。

図:年金終価係数を考える際の残高の変遷。

上の漸化式を初期条件:\( u_1 = a \)(一年目の残高は初めて積み立てた \( a \) 円だけであるということ)の下で解くと

\[ u_n = \frac{ (1+r)^n – 1 }{r} a \]

を得ます。最後に、冒頭の年金終価係数 \( k_3 \) の定義と見比べれば

\[ k_3 = \frac{u_n}{a} = \frac{ (1+r)^n – 1 }{r} \]

が分かります。運用年数を \( n = 5 \) 年に固定して、年利 \( r \) に対する年金終価係数 \( k_3 \) の挙動は下の図の通りです:

図:運用年数を \( n = 5 \) 年に固定したときの、年利 \( r \) に対する年金終価係数 \( k_3 \) の挙動。

これも終価係数のときと同様、直線に見えますが実際は 5 次関数です。特に年利 \( r = 1 \% – 5 \% \) に対応する \( k_3 \) の値は次の表のようになります:

表:上のグラフの年利 \( r = 1 \% – 5 \% \) とそれぞれに対応する年金終価係数 \( k_3 \) のペア。

 これらの数値はななみんの本に与えられている表の「年金終価係数」の行の 5 つの値を正しく再現しています。以上で「年金終価係数の一般式を導出すること」と「ななみんの本に与えられた年金終価係数の値が正しいことの確認」ができました

減債基金係数

 原価係数が終価係数の逆の概念であったのと同じように、減債基金係数 \( k_4 \) は年金終価係数 \( k_3 \) の逆の概念として定義される量です。つまり、一定の年利 \( r \) で \( n \) 年間の資産運用を行ない、\( n \) 年後に \( u_n \) 円になって欲しいと思ったときに、毎年積み立てるべき額 \( a \) に対して \( u_n k_4 = a \) によって定義される \( k_4 \) が減債基金係数です:

\[ k_4 = \frac{ a }{ u_n } \,\, . \]

日本語で書くと次の通りです:

\[ \text{減債基金係数} = \frac{\text{毎年積み立てる金額}}{\text{n 年後に得られる金額}} \,\, . \]

 上でやった年金終価係数の話を思い出せば、減債基金係数 \( k_4 \) は年金終価係数 \( k_3 \) のちょうど逆の概念に対応する量であることが分かりますね。二つの定義を見比べると、減債基金係数 \( k_4 \) は年金終価係数 \( k_3 \) の逆数です:

\[ k_4 = \frac{a}{u_n} = \frac{r}{(1+r)^n – 1} \,\, \left( = \frac{1}{k_3} \right) \,\, . \]

 年金終価係数のときと同様に運用期間を \( n = 5 \) 年に固定して、年利 \( r \) に対する減債基金係数 \( k_4 \) を表示すると下の図のようになります:

図:運用年数を \( n = 5 \) 年に固定したときの、年利 \( r \) に対する減債基金係数 \( k_4 \) の挙動。

 再び同様に、特に年利 \( r = 1 \% – 5 \% \) に対応する \( k_4 \) がいくつなのかを出してみると、次の表のようになりました:

表:上のグラフの年利 \( r = 1 \% – 5 \% \) とそれぞれに対応する減債基金係数 \( k_4 \) のペア。

 やはりななみんの本に与えられている表の「減債基金係数」の行の 5 つの値を正しく再現していますね。以上で「減債基金係数の一般式を導出すること」と「ななみんの本に与えられた減債基金係数の値が正しいことの確認」ができました

まとめ!

 年金終価係数 \( k_3 \) および減債基金係数 \( k_4 \) の一般式を導出し、ななみんの本に与えられている表のうち、これらに対応する数値が正しいことを確認しました。

 引き続き、資本回収係数&年金原価係数についても、一般式の導出とななみんの本に与えられている表の数値の確認をやっていきます(一般式の結果だけでいいよ、という方は二番目のリンクまで!):

コメント

タイトルとURLをコピーしました