【補足】6 つの係数の簡便な計算法(その②:導出に向けた復習)

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 こんばんはっチュウ!今回は前回までの準備を土台として「資金計画における 6 つの係数」の近似式を全て導出することを目的として、全ての係数の一般的な表式と、近似式の導出に必要なテイラー展開の復習をするチュウ!どちらも以前の記事で扱った内容なので、以下の項目の適当な場所に対応する過去記事のリンクを載せておくチュウ!必要に応じて復習してきてほしいチュウ!

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資金計画における 6 つの係数(復習)

 資金計画における 6 つの係数とは、終価係数&原価係数年金終価係数&減債基金係数資本回収係数&年金原価係数であった(忘れてしまった読者のために、この項目の最後にこれらをまとめた以前の記事へのリンクを載せておく)。それらの一般式、すなわち、任意の利率 \( r \) と積み立て or 切り崩し年数 \( n \) に対して求めることのできる式は、次で与えられるのだった:

  1. 終価係数 \( k_1 \)

\[ k_1 = (1+r)^n \,\, . \]

  1. 原価係数 \( k_2 \)

\[ k_2 = \frac{1}{(1+r)^n} \,\, . \]

  1. 年金終価係数 \( k_3 \)

\[ k_3 = \frac{ (1+r)^n – 1}{r} \,\, . \]

  1. 減債基金係数 \( k_4 \)

\[ k_4 = \frac{r}{ (1+r)^n – 1} \,\, . \]

  1. 資本回収係数 \( k_5 \)

\[ k_5 = \frac{ (1+r)^n r }{(1+r)^n – 1} \,\, . \]

  1. 年金原価係数 \( k_6 \)

\[ k_6 = \frac{(1+r)^n – 1}{(1+r)^n r} \,\, . \]

テイラー展開(復習)

 以前の記事で、適当な関数 \( f (x) \) の近似式を与えるテイラー展開(今回使うのは厳密にはマクローリン展開と呼ぶ)を扱った。関数 \( f (x) \) は \( x \) の冪(累乗)の観点から

\[ f (x) = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{ f^{(n)} (0) }{n!} x^n \]

と表されるのだった。ここで \( f^{(n)} (x) \) は \( f (x) \) を \( n \) 回微分したものであり、\( f^{(n)} (0) \) はそれに \( x = 0 \) を代入したものである。そこで上のテイラー展開を特に \( f (x) \) の \( x = 0 \) におけるテイラー展開、すなわちマクローリン展開と呼ぶのであった。

 説明が長くなることを避けるために以下では \( x > 0 \) とする。FP における応用を考える際にはこれで問題ない。\( x \) が \( 1 \) に比べてきわめて小さい:\( x \ll 1 \) とき、\( x \gg x^2 \gg x^3 \gg \cdots \) であるので、上の式で \( x \) の高次の項は切り落としてもよい近似結果を与えるであろう。たとえば、\( x \) の項(\( n = 1 \))まで取ると

\[ f (x) \simeq f^{(0)} (0) + f^{(1)} (0) x \]

となる。これを 1 次のテイラー展開と呼ぶ。\( x^2 \) の項(\( n = 2 \))まで取ると

\[ f (x) \simeq f^{(0)} (0) + f^{(1)} (0) x + \frac{f^{(2)} (0)}{2!} x^2 \]

となる。これを、同様に 2 次のテイラー展開と呼ぶ。ここで無駄な記法をやめると \( f^{(0)} (0) = f(0) \)、\( f^{(1)} (0) = f’ (0) \) などとなり、またこんなことを書いても仕方ないが \( 2! = 2 \times 1 = 2 \) である。

 テイラー展開について最初に触れた前回記事も必要であれば参照していただきたい。上がテイラー展開の導入と 1 次のテイラー展開を考えた記事、下が 2 次のテイラー展開まで扱った記事であるが、内容的にはここで復習と称して記したものとほとんど変わらないように思える。

テイラー展開の利用法

 テイラー展開は近似式を導出する方法を与える。いま導出したいのは「資金計画における 6 つの係数」の近似式を導出することであるが、これを利率 \( r \) についてテイラー展開することを考える。一般に利率 \( r \) は 1 に比べて非常に小さい(たとえば利率が 1% なら \( r = 0.01 \) である)ので、テイラー展開が利用できる。加えて、\( r \) は 1 より小さいばかりでなく 0 に近いので、特に \( r = 0 \) 周りのテイラー展開、すなわち、まさに上で述べたマクローリン展開を適用でき、近似結果は厳密な数値に対してよい精度を持つことが期待される。理論的なことをこれ以上述べても仕方がないので、続く記事で実際に近似式を導出する。とにかく「利率 \( r \) が一般には小さいため、それなりの精度を保持しつつ簡単な計算を可能にする近似的な式が存在する」という事実が大切である。

まとめ!

 「資金計画における 6 つの係数」の厳密な表式を復習し、それらの近似式を導出するための道具であるテイラー展開も復習したチュウ!

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