【復習用】ななみん Chap.1:ライフプランニングと資金計画⑦

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 前回の記事で「公的年金の全体像」を見たので、ここからは第 1 章の最後の山場「公的年金の給付」に入るチュウ!公的年金には老齢基礎厚生年金障害基礎厚生年金遺族基礎厚生年金の合計 3 種類(6 種類)があったチュウね。以下ではこの三種類の年金のそれぞれについて、国民年金の場合と厚生年金の場合を比較しながらまとめていくチュウ!もう一度「公的年金の全体像」について復習しておきたい読者のために、前回の記事のリンクを貼っておくチュウ!

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Sec.6:公的年金の給付①【老齢年金①】

  1. 老齢年金

 始めに三種類の年金=老齢年金障害年金遺族年金のうちの、老齢年金老齢基礎年金老齢厚生年金のうちの、老齢基礎年金について述べる。老齢基礎年金と老齢厚生年金を同一の記事に詰め込むとかなり長くなってしまうので、この記事では老齢基礎年金を扱うに留める。

 (1) 老齢基礎年金

 老齢基礎年金について、受給資格や受給額をまとめる。また関連して、繰り上げ/繰り下げ受給や付加年金にも言及する。 

  • 老齢基礎年金の受給資格

 まず始めに、次の三つの期間を用意しておく:\( A \)=保険料納付済期間(第 1, 2, 3 号として保険料を納付した期間)、\( B \)=保険料免除期間(第 1 号の学生や低所得期間に保険料の免除を享受していた期間)、\( C\)=カラ期間(年金制度への貢献が任意だった昔の名残)。

 このとき、三つの期間 \( A \) と \( B \) と \( C \) の合計が 10 年以上の人間が、65 歳以上になると受け取れるのが老齢基礎年金である:

\[ A + B + C \geq 10 \,\, . \]

なお、平成 29 年 7 月 31 日までは \( A + B + C \geq 25 \) が要求されていたことを考えると、だいぶ緩んだと言えよう。上で出てきたカラ期間というのは、年金受給資格の期間には入るけれども、下で述べる受給額には反映されない期間であることを注意しておく。これは前回の記事に出てきた免除期間のうち、追納しなかった期間と同様の扱いである。

  • 老齢基礎年金の受給額

 老齢基礎年金は、その満額を 779,300 円としている。より詳しくは \( 780,900 \times 0.998 = 779,300 \) 円らしく、改定率 0.998 によっていつからか下方修正されたと思われる。

 免除期間のある対象者(「猶予期間」ではない)については、次の \( P_{\text{-} \mathrm{H} 21.3} \) と \( P_{\mathrm{H} 21.4 \text{-}} \) の合計が受給額となる:

\[ P_{\text{-} \mathrm{H} 21.3} = 779,300 \times \frac{ M + (1/3) w + (1/2) x + (2/3) y + (5/6) z }{480} \,\, , \]

\[ P_{\mathrm{H} 21.4 \text{-}} = 779,300 \times \frac{ M + (1/2) w + (5/8) x + (3/4) y + (7/8) z }{480} \,\, . \]

ここで \( M \) は正式に納付した月数を表す。また、免除の制度について、法定免除の場合は全額免除、申請免除の場合は 4 段階の免除がありうる、という前回の記事を思い出す。この下で、上の式中の各文字は、この免除の各段階の月数に対応している:\( w \)=全額免除月数、\( x \)=3/4 免除月数、\( y \)=1/2 免除月数、\( z \)=1/4 免除月数。分母の 480 は年金への加入可能期間として 40 年間が採用されているだけのことである。最後に、どうして二つの式を足し合わせるのかという理由であるが、それは受給期間の反映の割合が平成 21 年 3 月/4 月を境目に改定されたからである。なお平成 27 年 10 月から、被用者年金の一元化に伴って上の支給額は 1 円未満の端数で四捨五入になった。

 余談であるが、ななみんこと滝沢ななみの本では「全額免除」に対応する \( w \) の係数=1/3 1/2だけを覚えればよいような色分けがなされている。FP 3 級の合格を最終目標とするならば確かにそれで十分かもしれないが、ここではそういった安直な態度の一切を放棄して、全ての係数を頭に入れることを試みる。すなわち、すべての係数を通分した形で書けば(例えば、1/3 = 2/6)

\[ P_{\text{-} \mathrm{H} 21.3} = 779,300 \times \frac{ M + (2/6) w + (3/6) x + (4/6) y + (5/6) z }{480} \,\, , \]

\[ P_{\mathrm{H} 21.4 \text{-}} = 779,300 \times \frac{ M + (4/8) w + (5/8) x + (6/8) y + (7/8) z }{480} \]

となり、前者は分子が 2, 3, 4, 5、分母が 6、後者は分子が 4, 5, 6, 7、分母が 8 となっていて、全ての係数を覚えることも可能ではないだろうか(2345-6, 4567-8)。ということに気づいてテンションが少し上がった記憶があるが、案の定既出であった:日本年金機構のページ

 話を元に戻す。ここで貴重な読者への親切を期待して、簡単な例題をななみんこと滝沢ななみの本から引用しておくことには意味があるであろう。

保険料納付済期間が 38 年で、学生納付特例期間が 2 年のアル中ピカチュウが年金を受給しようとしている。なお、猶予期間分の追納は行なっていない。受給額はいくらか?

滝沢ななみ『みんなが欲しかった! FPの教科書 3級』(TAC出版)より、概要を保ちつつ文章を改変した。

この例の場合、追納を行なっていないのだから猶予期間は年金受給額に反映されない。これは式で書けば \( w = x = y = z = 0 \) となる(この場合、上の二つの式は同一のものとなる!)。また免除期間については言及されていないので、ないものと解釈する。また納付した月数は \( M = 38 \) 年= \( 38 \times 12 \) 月である。したがって、受給できる年金の額は

\[ P = 779,300 \times \frac{ 38 \times 12 \, \text{月}}{480 \, \text{月}} = 740,335 \, \text{円} \]

と求まる。分母はそもそも \( 480 \) 月=\( 40 \) 年 \( \times 12 \) ヶ月なので

\[ P = 779,300 \times \frac{38 \times 12 \, \text{月}}{40 \times 12 \, \text{月}} = 779,300 \times \frac{38 \, \text{年}}{40 \, \text{年}} \]

と計算してもよい。要するに、分母と分子の単位が合ってさえいればよく、最初から約分された形(分母・分子とも「年」の単位)で計算すると少しだけ楽になるということである。

  • 繰り上げ受給と繰り下げ受給

 本来の受給開始は 65 歳からであるが、それを待っていられない老人も、逆に満額に近づけたいがために受給を我慢する老人もいるだろう。そのような規格外の老人のために設けられているのがこの制度であり、繰り上げて前狩りをすると「繰り上げ日数 × 0.5 %」が本来の受給額からじられる。一方、繰り下げに耐えた老人には「繰り下げ日数 × 0.7 %」の額ご褒美が待っている。

  • 付加年金

 付加年金というのはこれまでに何度か出てきた。完全に復習になってしまうが、付加年金とは「任意で 400 円/月を国民年金保険料に上乗せして払っておくと、払った月数 × 200 円老齢基礎年金に乗って還ってくる」という制度であった。これで付加年金の伏線を回収できた。

まとめ!

 老齢年金のうちの国民年金部分、老齢基礎年金について、受給資格と受給額、および免除期間・猶予期間との関連を見た。前回の内容を少しだけ思い出させる内容である。これは付加年金の再来についても同様である。せっかくなので、最後に付加年金に関する計算の例も示しておこう:

国民年金を 800 年間積み立てていた A さんは、そのうちの 600 年で付加年金も積み立てていた。なお、この期間において A さんは免除や猶予の一切を享受していない。この A さんについて、付加年金の分を合わせた老齢基礎年金の受給額はいくらか?

オリジナル問題。

 :まず、付加年金の分を含まない通常の老齢基礎年金の受給額は上の式で \( M = 800 \)年、\( w = x = y = z =0 \)とおいて

\[ P = 779,300 \times \frac{800}{40} = 15,586,000 \, \text{円} \]

である。次に付加年金の分は、その定義によって

\[ 200 \times 600 \times 12 = 1,440,000 \, \text{円} \]

である。したがって、A さんの老齢基礎年金の受給合計は

\[ 15,586,000 + 1,440,000 = 17,026,000 \, \text{円} \]

と求まる。800 年中 600 年の間付加年金を積み立てた A さんは、老後に年間 1 千 702 万 6,000 円の不労所得があるという結果である。

 さて、変な問題で気を紛らわしたところで、次は「老齢厚生年金」の方を扱うチュウ!

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